＜ディレクション実績 / Behind the scenes（舞台裏）＞

店舗名 : Ristorante italiano in salita（リストランテ イタリアーノ イン サリータ）
業 態 : レストラン
所在地 : 〒951-8062 新潟県新潟市中央区西堀前通6番町900−2
TEL : 025-225-5200
HP : http://lasalita-niigata.com/

物件提案：2016年9月
着　　工：2016年12月末
オープン：2017年2月25日

旧店舗のラ サリータ（La Salita）様は新潟市中央区医学町のテナントで開業10年目のレストランです。
前職で私が新規独立開業のサポートをさせて頂いた経緯があり、2016年秋にオーナー様からご相談をいただきました。10年間レストランを経営し、累計で莫大な家賃を払ってきた事に違和感を覚え、飲食業界のスタッフ不足問題もあり、原点に戻り、オーナーシェフの自分とサブ、ホールの3名体制位で営業出来るお店に移店したいと内容でした。

ここでポイントになるのが、売上げ額が低くなる点と、ご自身の収入も下がる可能性がある点です。移店の場合は既存顧客がいる為、開業よりも安定性が高いと言えます。ケースにもよりますが、なるべく旧店舗から近い事と固定費が下がる事、そして店創りに関しては、より満足度が上がる空間創り。この3点を抑える事で失敗の可能性を下げる事が可能になります。

ただ、立地や席数、既存客との関係性などによっては、売上額の減、そして年収減のような後ろ向きな要素も当然あります。
しかし、このリスクをオーナー様がしっかりと受け入れ、そうならないような策を練る。万が一、そうなってもご自分で納得する事が必要になります。今回の場合は、移店に伴うそのリスクと現状の人手不足や固定費を相対的に検討し、Ristorante italiano in salita（リストランテ イタリアーノ イン サリータ）のオーナー様は移店を選択されました。

物件は、新潟三越の西堀を挟んだ向いの6番町のテナントの2Ｆになりました。既存店の半分以下の約10坪、狭小店舗です。
売上計画を立てる中で、最低13席が必須になりました。旧店舗より席数が減る事で、客単価は高めに推移するよう促すとはいえ、目標（納得）の売上を達成する為には、テーブル数が4つ、13席の席数確保が必要。そこを前提に計画を進めました。

どうしてもオーナーシェフさんの場合、料理のクオリティーは高い所を目指しますので、厨房器具が多種必要だと要望が出ます。もちろん最初から必要設備を全て入れたいとは思いますが、優先すべきは席数の確保です。売上げが安定的に見込めてからでも器具の増設は可能です。逆に、席数が取れなければ、売上や利益の確保が出来なくなります。そこはご理解頂き、究極まであるスペースを有効活用し、理想通りの客席数の確保を目指しました。そして、実現させました。

商業空間は、別世界の表現が必要です。家庭では作れない、食べれらない商品の提供と同時に、異空間を提供する事で対価を頂けます。
Ristorante italiano in salita（リストランテ イタリアーノ イン サリータ）様の場合は、天井に間接照明を入れ目線を上の方へ誘導し、高さがあると錯覚させ、狭さを克服する演出を取り入れました。一部壁面にはシンプルだけど重厚感がある、皮の財布で有名なブランド店と同じ仕様をアクセントで使いました。

この店舗はもともとは物販店テナントでしたので、インフラ設備に苦労しました。新潟市中央区古町の周辺は、景観整備の為に電柱は地上に存在せず、地下埋設となっています。よって、そのテナントに容量が少なかった場合、容量を引き込む作業に申請から施工まで数か月必要となります。（東北電力の独占により、民間の我々にしわ寄せが来る事に納得いきませんが。）
この点で業者のミスがありオーナー様に工期のズレが生じ、ご迷惑をお掛けしてしまいました。しかし、何とか許容範囲内でお引渡しする事が出来ました。この件については、事前の情報確認とディレクションの詰めの甘さを反省しています。

出来上がったお店は、大変素敵な空間となりました。
旧店舗からのお客様からの予約でかなり先まで埋まっており、大変うれしく思っております。今後は、客席数の少なさを単価でカバーする為に、お客様が気持ち良く、そして何気なくオーダー出来るスキーム創り等をサポートさせていただき、喜びを沢山生んで行きたいと思います。

単価ＵＰをお店側の都合や誘導ではなく、お客様自らと仰っていただく事で、顧客満足度も単価と同時にＵＰさせる仕組み創りです。

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